受賞作品

大賞 賞金100万円

「ジャンプTOON」で連載確約&受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 2デバイスプラン3年版

海に溶ける墨色

海に溶ける墨色

遊泳ピカ

人々は彩りを求めているーー。コンクールの書道部門、絵画部門で金賞同士の宇津木颯と天羽かさね。宇津木の墨一色でシンプルな書道の作品は、地味だと揶揄されてなかなか理解してもらえない。一方で絵画金賞を獲った天羽は、特徴的な色使いの作品で周囲から注目を集めていた。ところが何でも出来て気丈そうに見える天羽には、「色」に関する秘密があって…?異なる孤独を抱えた少年少女の邂逅を描く、瑞々しい青春ジュブナイル。

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

爽やかな絵柄で読ませる力があり、最後まで勢いがありました。ただ、気になったのは主人公で、書道を愛する人間という設定なのに作品が凄く見えないので説得力に乏しく感じました。彼の魅力に関わるとても大事な部分なので疎かにしてほしくなかったです。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

主役2人のキャラ設定が、ストーリー全体を通して活きてるのがとても良いと思いました。1番の見せ場にも「色」が複数の意味合いで絡んでいて感動。表情に作者の趣向とこだわりを感じます。ラストシーンへの前振りがもう一つあっても良かったかも。

ONE 先生

ONE 先生

色が見えない症状と世界に彩りが宿る変化をカラーとモノクロの演出で分けたアイデアが良い。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

キャラクター、テーマ、ストーリー、演出力、青春物として過不足無い読み切りに仕上がっていると思います。特に印象深いシーンを作ろうとする姿勢が素晴らしいです。キャラクターの決めの絵を魅力的に描くこと、ここを特にレベルアップ出来ると、将来に期待が高まります。

編集部講評

カラーもモノクロも表現できるタテマンガという媒体の特徴を存分に活かした、見事な構成の作品でした。類型的にとどまらない、そのキャラらしい言動や思考をもう少し意識してみるとより良くなると思います。

準大賞 賞金50万円

「ジャンプTOON」で受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 2デバイスプラン3年版

手遅れ異世界

手遅れ異世界

相島桃志郎

長時間労働と上司からの罵倒に疲れきった男がトラックに轢かれてしまい…気がつくとそこは、ずっと憧れていた異世界だった!意思を持たず、周りに流されるゾンビのような生活だった現実世界とは決別し、これから新たな人生、楽しい異世界ライフが始まる…と思いきや、なんと異世界での体はトラックに轢かれたミンチ肉の姿で…!?チートスキル無し、体力1でただ硬いだけの肉塊が送る、ドタバタ異世界ギャグファンタジー堂々開幕!

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

絵が上手くて見やすいです。要所要所に出てくるギャグが面白く、キャラクターに親しみを持てるようになっていて飽きずに読めます。特に勇者レーノ、いい味出してます。ただ主人公がミンチ肉というのは面白いフックになっているのですが、同時にウィークポイントでもあると思っています。この先1〜3話を上回る面白い展開に期待しています。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

出落ち感がグッド。キャラ立ての順番やエピソードの内容が適切で、人物の表情もイキイキしてとても良かったです。ずっと同じ場所で話が進むのもワンシチュエーションコメディぽくて楽しいですが、勝負シーンで場面転換するとメリハリが出るかもです。

ONE 先生

ONE 先生

終始モザイクがかかったミンチ状の主人公という個性は新しい。表情が見えないのが勿体ない。掛け合いのテンポが良いが情報公開のテンポを上げて序盤の内にストーリー展開の予兆を見せて欲しい。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

自分なりの「型」はあるのは高評価です。出来ればこのノリを活かしつつ、シンプルに売れるキャラデザを追及してほしい。「ギャグ」作品でとどまらず、カッコいい、綺麗、カワイイ、ユーモアにあふれた「ヒーロー」作品が作れる作家さんだと思います。

編集部講評

意外性があり引き込まれる設定と、バランスの良いキャラ配置によるテンポの良いギャグが魅力の作品でした。モザイクの主人公は表情が読めず好感度も上がりにくいので、より効果的なキャラデザを追求してみて下さい。

シバベロス

シバベロス

イノウエヒロ

地獄の番犬ケルベロス。魔界でもその異名の通り、獰猛で誰からも恐れられる…はずだった!?悪魔のくせに飛べない落ちこぼれ悪魔の主人公・アフロが出会ったのは、丸まる肥えて威厳も凶暴性もない、見た目が柴犬の売れ残りケルベロス!同情してアフロが番犬として連れ帰るも、やる気はゼロ、気分屋、食い意地だけが立派な体たらくで…?ポンコツ飼い主×ポンコツ番犬が送る、地獄のぐーたら脱力コメディ!

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

ケル、ベロ、スーが可愛すぎます。柴犬✕ケルベロスという発想が面白いです。仕草や表情にもこだわりを感じました。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

「この部分が描きたい!」というのが伝わってきました。ひとつひとつの表情が可愛いし、オチがキャラに基づいてるのも良かったです。この作者だからこそ描けるキャラいじりが増えると更に主役たちが輝くと思います。

ONE 先生

ONE 先生

デザインがすごく良い。可愛いキャラクターに読者の気持ちが乗れるようにエピソードの積み重ねを期待したい。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

犬、かわいいですね。ただし犬カワイイもの、というのはペット動画がたくさん世に転がっています。その状況で、あえてタテマンガでペットものを見たい、と思わせるにはどうすれば良いか?ペットものならでは、柴犬ならでは、ケルベロスならでは、のあるあるで、楽しさを演出できるよう頑張ってほしいです。

編集部講評

怠惰で可愛い柴犬と、威厳があって凶暴なケルベロスという異色の掛け合わせが見事でした。ディテールの高さも◎。ケル・ベロ・スーをそれぞれ特徴の違うキャラとできるとより広がりが作れるかと思います。

パーフェクトナンバー

パーフェクトナンバー

Kaneaki Go×KJ

高校の中間テストで全教科満点をとった白川湊。ところが湊は担任に呼び出され、不正を疑われた挙句、女手一つで育ててくれた母親まで貶されてしまう。「親ディスられたらさすがに気になるよね」天才ハッカーでもある白川は、担任のスマホをハッキング。写真フォルダを覗いてみると…そこには女子生徒の盗撮写真が大量に!?高校生ハッカーが底知れぬ闇に対峙する、クライムサスペンス!

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

スリリングな展開で1〜3話まであっという間に読みました。続きが気になります。気になったのは主人公で、もう少しどんな人間か掘り下げて欲しかったです。捻くれた中に彼なりの善が見えたり人間味のある部分がもっと見えると感情移入できて、スリリングな展開がより盛り上がると思います。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵がキレイ。人物の描き分けや表情も良く、サスペンスなストーリーとも噛み合ってます。ふとしたセリフが好き。敵キャラのヘイトをしっかり高めてから反撃してるので爽快でした。主人公や幼なじみに感情移入する場面が増やせたら更に良くなりそう。

ONE 先生

ONE 先生

学校環境に不満を持つ高校生ハッカーの独壇場が描かれるかと思いきや、それを上回る特異な存在が出現するというギアの上げ方が面白い。続きを読ませる展開力も作画完成度も高かった。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

悪役を憎らしく描けることは、たいへんな武器です。物語は主役だけでは成り立ちません、脇役、敵役、適切なふるまいをさせるべきです。SNSで悪業を暴露という軸は、現在性をすごく感じます。この軸でしか成立しえないキャラクター性、能力、エピソード、研ぎ澄ませていくと、連載にも耐えうるものになるかと思いました。

編集部講評

完成度の高い絵と、先が気になり常に驚きを提供してくれる展開はまさにプロレベル。主人公が主体的に動いて活躍するなどし、読者が主人公を肯定できるような魅力を作れると、より肩入れできるキャラになります。

佳作 賞金20万円

「ジャンプTOON」で受賞作掲載確約

CLIP STUDIO PAINT EX 1デバイスプラン1年版

サマーキャンプ

サマーキャンプ

夜子

学校でも有名なやんちゃトリオのノーマン、ティーチ、オタ。3人は学区のサマーキャンプに参加するにあたって、先日アメリカ西海岸で観測された、巨大流星に含まれる大量のダイヤモンドを探し出すことに。先生や大人の目を盗んでこっそり隕石探しを始めるも、キャンプオーナーの娘・クリスタに見つかってしまい…?好奇心旺盛で、大人の言う事を聞かないやりたい放題の少年3人組の、ひと夏の大冒険物語。

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

縦読みならではの画面づくりと、景色や自然の描き方が美しく見ていて楽しいです。各話ごとの引きがちゃんと作られているのも良かった。ただキャラクターの深掘りが無いのと、展開がゆっくりなのでこの先どうなるのかあまり気になりませんでした。ティーチパパの顔芸面白かったです。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

ジュブナイル感がステキ。背景や小物のチョイス、色味にこだわりを感じました。主役3人の個性やキャラ配置も良いので、作戦会議のシーン等はもう少し尺を短くまとめ、実際に行動してるシーンにページを沢山使うとより楽しく読めそうです。

ONE 先生

ONE 先生

ワクワクする要素を掛け合わせて、上手く少年達の冒険に惹き込んでくれる。縦読みの使い方も上手いと思った。絵や色使いも綺麗で完成度が高い。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

映画的、実写的な物語を試行する才能が来てくれて、楽しかったです。3人のキャラクター、セリフ回し、ジュブナイル作品として楽しめました。その代わり、この「ゆったりとした展開」を読み進めさせるためには、もっと旅路をワクワクさせる情報量が無いと、読者が離脱してしまうように思います。各シーンの破壊力を上げたいです。

編集部講評

古き良きジュブナイル映画のような、実写的物語をタテマンガに落とし込んだ、見事な作品。随所に見られたタテマンガならではの工夫も◎。引きを意識した話の終わり方ができると、より続きが気になる展開になります。

メンヘラスーパーボルケーノ

メンヘラスーパーボルケーノ

とべすのこ

「可愛くて俺のことが好きすぎる彼女を下さい!!!!」悪魔に向かってそう叫んだ主人公・草原鼓の前に現れたのは、鼓のことが大好きな超絶美少女の小木野エリ。人生で初めてできた彼女に浮かれる鼓だったが、悪魔との契約の際に「彼女を泣かせたら世界が滅ぶ」という約束をしてしまい…!?エリの重すぎる愛を、鼓は受け止めきれるのか…?メンヘラ彼女とウブな主人公の、ドキドキ激重ラブコメ!

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

キャラクターが全員魅力的です。特にエリちゃんが可愛すぎます。派手な展開が無いのに楽しく読み進められました。キャラクターの魅力を最大限伝えられているからだと思います。悪魔のちょっぴり詰めが甘い所も親しみを覚えます。二人にはこのままバカップルを貫いて欲しいと思います。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

台詞回しと表情が的確で読みやすいです。展開に一捻りあるのが良いし、前半で彼女のキャラをしっかり打ち込めてるので、その後ずっとハラハラ出来ました。主人公の内面の描写も過不足なく、読切として纏まっていると思います。

ONE 先生

ONE 先生

方向性はわかりやすいが悪魔が仕掛ける女難のレベルをリアリティが維持できる範囲内に設定している弊害で大人しい展開に終始してしまっている。あり得ない仕掛けを大胆にして読者を引き付けて欲しい。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

クセの強いキャラクター造形、エピソードが魅力的でした。ただ個人的には、男性読者にとって魅力的な物語なのか、女性読者にとって魅力的な物語なのか、解釈が難しかったです。どちらかにとって最大級に「都合の良い要素」で固めた方が、完成度も上がりますし、企画のアピールもしやすいと思いました。

編集部講評

愛が重めのかわいらしいヒロインと、彼女に一生懸命な主人公の掛け合いが、微笑ましかったです。ヒロインのメンヘラ部分をより強調してあげると、マンガとしてもっと魅力的な作品になると思います。

インベイジョンテイル

インベイジョンテイル

トムタケシ

魔族と人間の戦いが終わり、平和を迎えた剣と魔法の世界。魔族に両親を殺された少年デーヴィッドは、鍛錬を続けて強くなろうとしていた。そんな少年の前に、突如見たこともない異形――宇宙から来た「何者か」が現れる。必死に逃げて息を潜めるも、その脅威はすぐ側に忍び寄り…?剣と魔法の世界に侵攻してくるエイリアン。ファンタジーとSFが未知の邂逅を果たす、バトルのフロンティアを目撃せよ。

作品ページへ
いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

展開が面白く、かつサクサク進むのであっという間に読み終わりました。キャラクターも魅力的で特に勇者とダンタリオンの性格の対比が凄く良かったです。カメラワークも素晴らしく引き込まれました。敵(宇宙人?)が気持ち悪かったのも怖くて良かったです。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

人物の体を丁寧に描く意識が感じられたし、結果画面が見やすいです。クリーチャーのデザインや追われる恐怖演出も良かった。女の子キャラに良い味があるので、剣士とのキャラいじりを増やせば更に大暴れする可能性を感じました。

ONE 先生

ONE 先生

絵が上手く、画面に迫力を出そうという工夫を感じる。ファンタジーの中に別種のファンタジーを流入させる仕掛けが良い。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

自分が見せたいアイデアをふんだんに盛り込んでいる姿勢は好印象です。ただ世界観がハイファンタジーなのか、現実の延長線上なのか、分かりにくさがありました。世界観、キャラクター、事件、順番に読者に提示する整理が必要と感じました。

編集部講評

冒頭シーンの伏線が回収される計算された展開と、恐ろしいモンスター造形など作り込まれた絵柄が魅力の力作。ストーリーの部分で自分だけの要素を追加して他の作品との差別化ができるとより良い作品になります。

最終候補 賞金10万円

RRR

RRR

黒空カナキ

母親の再婚相手からのDVに苦しむ主人公の梓月。最悪の家庭環境から逃げられずに絶望していたところ、両親が交通事故で亡くなる。やっとしがらみから解放される…と思った矢先に、梓月は飛行機事故に巻き込まれてしまい、目覚めると…そこはゲームプレイを強要される、仮想空間の世界だった!このゲームのクリアにはタロットカードが鍵になっていて…?新感覚のカードバトル・デスゲーム開幕!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

これからどうなるの?とワクワクして読めました。ただ、主人公の感情の起伏が激しく見え、深刻だったかと思えば急に緊張感がなくなったりと、ついていけない所が多々あります。ここを共感出来るよう感情を地続きにして描いていくと、より物語の説得力と緊張感が増すのではないでしょうか。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵が丁寧で、コマ間の演出も適切で展開が追いやすかったです。2話目の掛け合いが楽しい。主人公の生き残りたい理由はしっかり表現されているので、1話目から彼女の人間性をもっと打ち出したい。モノローグが多めなので、モブキャラ等を絡めた会話シーンにするのもアリです。

ONE 先生

ONE 先生

生還を巡ってタロットカードの奪い合い。タロットというモチーフは良いがキャラの心情や、設定、台詞、能力、何か一つ新しいものが欲しいと思った。作画が安定している。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

読者を引き込む構成が手堅く出来ています。その上で、キャラクター性なのか、演技のさせ方なのか、企画なのか、台詞なのか、なにか「歪さ」を提示できると、次のステップに上がれるはずなので期待したいです。

編集部講評

壮絶な家庭環境だった主人公のゲーム参加動機が明確、かつ先が気になる展開なのが◎。タロットカードの設定も効果的でした。デスゲームの世界観は提示できているので、より独自性を出せるストーリーに期待します。

アニマルちゃんSP

アニマルちゃんSP

みかくさんみ

過去のトラウマから動物を毛嫌いする女子高生の美優は、その思いに反して歩けば小鳥に囲まれるほどの動物に好かれる特殊体質。ある日、下校途中の美優がしつこい先輩に絡まれているところを助けてくれたのは…スーツ姿の喋るウサギ!?しかもそのウサギはなんと、美優が小学生の時にお世話していた学校のうさぎだった!ハードボイルドになって帰ってきたウサギちゃんによる、恩返しコメディ!

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

ウサギがとても可愛い。鶴の恩返しのように不思議な力で人間に変身した…ではなくちゃんと某国の科学の力で変身している所が面白かったです。そしてラストに様々な動物のSPが出てくる所が最高でした。このシーンは1番推したい所です。欲を言えば、変身後のヴァレッドの風貌がもっとカッコイイと良いなと思いました。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

起承転結がハッキリしていて、キャラの心情の変化もしっかり描写できています。序盤のナンパ男との掛け合いだけ少し唐突に感じた。主役が変身する展開、王道で良いです。変身後の色気ある表情を大ゴマで見せたりすると更にキャラ萌えが増しそうだと思いました。

ONE 先生

ONE 先生

動物が引き寄せ体質の主人公を守ってくれる展開にもっていくのは和む感じで良かった。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

かわいいキャラクターは武器ですが、1話として構成を考えたとき、この絵、この台詞、この説明が必要不可欠なものだろうか?もっともっと推敲できるのでは?と感じました。

編集部講評

動物好きの主人公の優しさとウサギの愛嬌が伝わってくる可愛らしい作品でした。ウサギがSPという設定も意外性があって◎。キャラの魅力を深掘りして、行動に説得力を持たせられるとより良いです。

魔王と13番目の勇者

魔王と13番目の勇者

ponzoo

魔王の城と魔女の森に隣接する街・コッツベリーで変わったパンを売る少女・ユーシィ。売れずに嘆いていると、パンが不思議な生き物に盗まれてしまう。取り返すべく謎の生物を追っていった先には、野原に刺さったままの剣が。剣に気を取られていると、突如後ろから謎の男に斬りつけられてしまう。持ち前の運動神経の良さで剣戟を間一髪でかわし続けていると、その男は自分が魔王だと名乗り…!?

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

絵がすごく上手。難しいアングルをさりげなく描いていてしかも分かり易いです。通りすがりの魔王の登場シーンは存在感たっぷりで印象的でした。このシーンだけで彼がどんな性格かよく分かります。一方主人公は謎な部分が多くいまいち掴めませんでした。そしてもしこの作品がラブコメなのであれば、1話で恋の予感まで描いてほしかったです。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵柄にステキな空気感があって、題材とも合っています。主人公まわりの会話シーンが少なくストーリーの縦軸が見えづらい印象を受けたので、主人公の内面や行動原理をもっと描写すると単話として完成度が高まると思います。

ONE 先生

ONE 先生

画力が高く、表情や光の演出、人体の動きを描写するのが上手い。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

自分の世界観、デザイン、節回しを明確にもっている作家さんです。ですが今回はあくまで作家性を提案するポートフォリオという印象です。次の話を読みたくするためには、主人公にとって、相手がどんな益があるのか示せば、グッと読ませたくなることが出来ると感じました。物語のすべては、主人公のためにあるのです。

編集部講評

淡く優しい雰囲気の絵と、キャラの言動がとてもリアルでディテールが良かったです。今後のお話に期待が持てます。早めに"そのキャラらしさ"が感じられるような場面や展開にできると、より魅力的な作品になります。

呪われ工房のタガネのカルラ

呪われ工房のタガネのカルラ

佐々木ヒルコ

剣と魔法の時代は過去の話。魔王の倒れた後の平和な世界で、時代に必要とされず廃れゆく技術〝神秘〟を受け継ぐ魔女・カルラがいた。山奥の工房で独りひたすら技を磨き続ける彼女の元に、ある日背中に大きな傷を負った死にかけの男が訪ねてくる。男がたどり着いたのは、〝死にかけ〟を食らう精霊が住まう呪われの魔術工房。果たして男は祝福を受けて工房から生きて出てくることはできるのか…?

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

世界観と設定が面白いです。しかし独特な設定が多く、台詞だけで説明しているので頭に入りづらいです。もっとわかり易く描ければ、主人公の孤独感や彼の感情も読者に伝わると思います。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

心地よい空気感と読み味。工房の禍々しいデザインが世界観の演出に役立っています。二人の間に芽生えそうな絆も良き。「脱走兵が口にしてた”約束”」と「工房から出られない事実」がどう対立するのかを3話目あたりで見たかったとも思いました。

ONE 先生

ONE 先生

世界観作りが丁寧であるが読者が楽しむポイントまでまだ誘導できていない印象があった。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

「職人ヒロインと脱走兵ヒーロー」この要素だけ抜いても、美味しい!という期待感を感じさせました。自らの節回しもしっかりある作家さんです。反面、思わせぶりな会話が多く、読者が美味しさを感じるまで、もどかしそうです。視点をどちらかに絞り、キャラクターにまつわる5W1Hを説明して、読者に親切に展開させると良いと思います。

編集部講評

描き込みの多い絵と独自性のあるファンタジーの世界観を打ち出せているのが◎。ただ、キャラや設定についての説明が少なく読者が置いてけぼりの印象があるので、より分かりやすい情報の出し方を意識してみて下さい。

ブタ野郎、恋はじめました

ブタ野郎、恋はじめました

たまごかけ丼

ブタ野郎として忌避されていた異世界のオークが、女神様のご厚意で人間の「奥山純吉」として現代日本に転生。しかもお隣さんは、優しくてキレイな元女騎士の五月雨さん。前世だったら会話すら許されなさそうな高嶺の花の五月雨さんを、奥山は好きになってしまう。そしてどうやら五月雨さんのほうも奥山に好意があるようで…!?身分違いの恋は実るのか!?元オークと元女騎士のムズムズラブコメ。

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

ブタ野郎が尊い作品です。時に笑えて時に感動できる…素敵なキャラクターです。一方五月雨さんのキャラクターがいま一歩で、女騎士という設定を上手く生かせて無いと感じました。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

設定が明快で読み進めやすかったです。主人公の葛藤によって物語にメリハリが作れている点や、ヒロインに作者の癖(へき)が感じられる所も良い。基本会話劇で進むので、見せ場に何かしらの行動が足されるともっと良くなりそうです。

ONE 先生

ONE 先生

オークと騎士という前世を持つ者同士が恋に落ちるまでの過程に説得力が欲しい。転生後のストーリーであるのに転生前を意識しすぎている描写に違和感があった。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

かわいらしいオークが恋をする、ここまで企画として成立していますが、その企画ならではのアイデア、エピソードの破壊力が、水準に達していない印象です。読者がこれなら痺れるだろう、驚くだろう、悶絶するだろう、絵の演出も含め、ブラッシュアップしたものが見たかったです。

編集部講評

好感度の高いキャラと、両片思いの読んでいて微笑ましいシチュエーションを構築できているのが好印象。ヒロインの可愛さがより際立つ絵にできると、ラブコメとして次のステージに一歩近づくことができると思います。

エクソシスる!

エクソシスる!

ツクモミヤコ

ここは悪魔に呪文で対抗する方法を学ぶ、エクソシスト養成学校。1年生の天野雀鬼は、いつもヘラヘラ、やる気なし。真面目になるということを知らず、このままだと退学になってしまうほどの超問題児だった。授業をサボった罰として「掃除」を命じられた天野が、クラスメイトの有東誠治と話していると、実習で使われる低級悪魔が1匹脱走し、強大な「憤怒」の悪魔に成長して襲ってきて…!?

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

話がわかりやすく読みやすかったです。主人公が何故怠け者なのか、ちゃんとクライマックスで伏線が回収されています。所々にあるギャグシーンのお陰で楽しんで読めました。ただ何となく展開が読めてしまうため盛り上がりに欠けてしまっています。バトルシーンの作画はもっと迫力が出ると良いなと思います。迫力のあるバトルシーンと怠けている主人公を対比させれば、より主人公の怠惰な部分が目立つのではないでしょうか。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

どのキャラにもフックが用意されていて感情移入できました。主人公の行動原理と強さに腑に落ちる理由があったのも良かったです。背景をもっと充実させられれば、戦闘シーンに躍動感や臨場感がより足せると思います。

ONE 先生

ONE 先生

悪魔の力を以て悪魔を退治する設定の配置は良いと思った。更に何かこの作品だけにしかない独自性が欲しいと感じた。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

企画として要素に過不足は無いのですが、この作家ならではの「歪さ」が足りない印象です。それは作家さんの価値観なのか、エクソシストというバックボーンなのか、独善的でよいので、この人ならではの「深み」を感じたかったです。

編集部講評

サボり癖のあるお茶目な主人公や厨二病のクラスメイトなど、キャラを魅力的に描けていました。ネームが読みやすいのも好印象。既視感のある設定からはみ出し、よりオリジナリティのある設定を追求してみて下さい。

Right!

Right!

乃村圭

そこに存在するだけで次々と人が倒れていく。そんな穢れを撒く怪物「オニ」が、雀雅ミドリの学校に出現した。2年生が学級閉鎖になるなど深刻な被害が出る中、雀雅の前にオニを退治する祓士を名乗る二人の生徒が現れる。オニを祓う現場に来て欲しいと半ば強引に誘われた雀雅は、断ろうとするも結局言われた通りに夜の学校に来てしまう。予想外に増殖したオニは、どうやら学校にある何かに呼ばれているようで…!?

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

キャラの自然な会話の中でサラッと設定を説明していてわかりやすかったです。話の流れも違和感なく、感情移入出来ました。独特な絵で記憶に残ります。オニが強そうに見えなかったので祓士の先輩たちが凄い人に見えなかったのが少し残念でした。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

後半の伏線回収が機能して、読後感も良かったです。周りのモブ生徒達はこの2人組を見てどう反応するか(例えば人気者で、キャーキャー言ったり?)を描くと更に地に足が付くと思います。絵に魅力があり今後もっと伸びそう。

ONE 先生

ONE 先生

柔らかい絵柄や作風とダークな設定が噛み合っていないように見えた。描きたい設定を生かす演出・工夫を意識するともっと良い。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

キャラクターそれぞれは魅力的になりそうなのですが、読後感としては「あらすじ」を見せてもらった印象です。起承転結が、起承結となってしまっているような。主人公が、未来の仲間から信頼をえるためのエピソードの尺、説得力が欲しかったです。

編集部講評

柔らかい雰囲気の絵柄とキャラの素直さが上手くマッチし、きれいな世界観を作り上げることが出来ていました。次回作では背景情報をより丁寧に描くことで、キャラに感情移入しやすくなるような物語展開を期待します。

カルマライド

カルマライド

伊藤そうあ

クラスの委員長・鎹あきなは、世話焼き大好きで面倒見が良く、困っている人は放っておけない性格。ある日あきなが下校していると、最近話題の心霊スポットの建物からいじめっ子の氷室が慌てて飛び出してきた。氷室によると、クラスメイトの前野が心霊スポットに入ったきり音信不通になってしまったという。助けるために建物に入ると、そこには人の力の及ばない異形が住み着いていて…!?

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

カメラワークが巧みで迫力あるバトルシーンに惹きつけられました。祓魔番がお爺ちゃんなのは良い意味で意外で、格好よかったです。一方主人公あきなといじめっ子達のキャラクターが役割を演じているように見えてしまいました。もっとキャラクターの解像度を上げると面白くなると思います。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

絵が安定していて、アクションシーンも躍動感があります。ヒロインのキャラ性をしっかり描写してるのは良いのですが、主役が本領発揮するまでの尺が長いと感じました。ですので合間にヒロインと絡む場面をもう少し増やすとよいかも。

ONE 先生

ONE 先生

縦読みならではの絵作りが上手だった。善良な主人公の振り切りっぷりを良く表現できており、キャラを応援したくなる。見せ場だけ若返る老輩という設定もかっこいい。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

完成度は高い!ですが1話目が長すぎる!WEBで発表する作品で、一番に気を付けた方がいいのは「詰め込みすぎ」です。作家として魅力的な要素を切りたくない気持ちは分かりますが、読者に、順番に、最低限の情報で、主人公の魅力を紹介すること、が大切です。この話の場合、1話目で見せるキャラを絞るべきでした。

編集部講評

バトルシーンの魅力的な構図と印象的な絵が良い。アングルや演出が多彩で派手なアクションを表現できていました。ベタな展開が多かったので、その作品ならではの驚きを作れるように挑戦してみて下さい。

有望作品 賞金1万円

チッスイタイナ ー吸血鬼小林の100日ー

あばちょ

ジェヴォーダンの獣たち

佐藤

夜空の歓談

甲原星火

Smiley Marry

Kokoa

片恋彼女

夜野朔

総評

いしかわえみ 先生

いしかわえみ 先生

ゆるカワなものから重厚なストーリーまで幅広く、面白い作品が多かったです。楽しみながら審査させていただきました。

個人的に気になったのは、キャラクターの魅力を最大限に描けていない作品がいくつかあったことです。魅力を描けてないとキャラクターに感情移入または憧れることができず、せっかくのストーリーや面白い設定も読者に伝わらないので意識することが大切です。

これが出来たら強いので是非頑張ってみてください。

附田祐斗 先生

附田祐斗 先生

表情が印象的な作品が多く、そんな作品ほど最初から最後まで物語に入り込んで読むことができました。また「モノローグは使い所を選び、基本はキャラ同士の会話で展開させる」「登場人物の全身の絵も適度に挟み、大ゴマ&顔アップはここぞという見せ場で」などを意識すると一気に読みやすくなります。

今までの経験上「多分この作者さん、こういうキャラが大好きなんだろうなぁ」と漫画から伝わってくる作家は今後も伸びます。

今回の審査でもそんな気概を感じる事ができ、審査に関われて光栄でした!ありがとうございました!

ONE 先生

ONE 先生

全体的に絵的な完成度が高く、作り手の層の厚さを感じました。

指でスクロールする速度と読み味がマッチする作品もあり、その計算も画面構成に入れるやり方は勉強になりました。

内容はやはり横読み漫画と同様にキャラクターの存在感が大事である事、そしてそのキャラを生かす動きや言葉を優先している作品が一歩リードしている印象でした。

面白く読ませていただきありがとうございました。

編集長 浅田貴典

編集長 浅田貴典

前回の応募数を上回る、多彩な才能に応募していただきました。少年マンガ的な物語、少女マンガ的な物語、ライトノベル的な物語、WEBTOON的な物語、実写映画的な物語、それぞれが「タテマンガ」のフォーマットで表現出来ていることが、本当に嬉しいです。

これからジャンプTOONアプリ上で、新人賞出身の作家さんの新連載・読み切りを積極的に掲載していく予定です。そのために個人がタテマンガを制作する上でのバックアップ体制を整備しております。次回以降の応募、編集部への持ち込みを、期待しております。

ジャンプTOON座談会!

ジャンプTOON座談会!

タテマンガに興味をお持ちの作家の皆さまに向けたオンラインイベントの参加者を募集いたします。 ジャンプTOON編集部のメンバーがタテマンガ制作について感じていることを話したり、作家さんからの質問にお答えします。

日時

2024/11/22(金) 19:00〜20:30

実施方法

Zoomを使ったオンラインセミナー形式

応募〆切

2024/11/10(日) 23:59

参加申し込みフォームへ

「ジャンプTOON座談会!」 に応募する

※応募多数の場合抽選となります。

過去の開催回

これまでに開催されたジャンプTOON AWARDについては、こちらからご確認ください。

X公式アカウント

作品やサービスに関する情報をお届けいたしますので、ぜひフォローお願いいたします。

  • ジャンプTOON公式

    ジャンプTOONの情報を取り扱う公式アカウントです。

  • ジャンプTOON NEXT!/タテマンガ新人賞

    作家の方へ向けた情報を取り扱う公式アカウントです。

「ジャンプTOON」とは?

ジャンプTOON

集英社・ジャンプグループが贈る、タテマンガサービスです。 新しい才能を積極的に発掘し、世界的なヒットを目指します。

詳細は 公式サイト をご覧ください。

X

Facebook

LINE